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2020.06.18
葛根湯(歯)医者
皆さんは葛根湯医者、という落語をご存じでしょうか。
むかしあるところに藪医者がいて、頭が痛いといえば、「これは頭痛という病で葛根湯が良く効きます」、腹が痛むと「これは渋り腹といって葛根湯が良く効きます」と何でも葛根湯を処方し、果てには患者さんの付き添いの方にも「あなたは付き添いだから葛根湯が良く効きます」としたところで大笑い、というお話です。
こんな笑い話になるくらい、葛根湯は広い範囲に適応がある漢方薬です。体の代謝を上げ、血流を良くすることができるので、風邪の引き始めに使われる事がもっぱらになっていますが、僧帽筋を代表とする筋肉の疼痛を筋肉の中から血流を上げることで改善することができます。スマホ、パソコンの頻用でどうしても体が前傾姿勢になることの多い現代社会、僧帽筋が主症状になることが多いのですが、姿勢制御に使われる顎関節関連筋肉も疲労し、疼痛を引き起こしてくることがあります。
結果、顎が痛い、頬や横の頭が重たい、口が開かないなどの症状があり、なかなか歯科医院にかかれない場合、1週間程度継続して葛根湯を内服する、というのも一手かもしれません。ただ、内服しても症状が改善しない場合や、すぐに医院にかかれる場合には、歯科医院の受診をお勧めします。
ちなみに葛根湯は諸説ありますが、歯科医院では保険適応外になることが多いですので、ご注意ください。