ブログ
2020.08.27
口腔内科って何?
8月ももうすぐ終わりですね。ラニーニャの影響で、今年は残暑が長くなりそうです。皆さん、体には十分注意してお過ごしください。
さて、今回は口腔内科についてお話してみます。
口腔内科という言葉を初めて聞いた、という方もいらっしゃるかもしれません。そもそもではありますが、歯科というのは性質として麻酔をする、歯ぐきを触る、歯を削るなどの行為を行うことから、外科系の科といってよいと思います。その中でも口腔外科というのはガンの手術や骨折を含む外傷の手術など、口にまつわる多くの外科治療を担当しますが、口腔外科の役割はもう一つあります。
それが、口腔内科の治療です。前述のとおり、通常の歯科は外科的な性格を持ちますので、口内炎や舌の痛み、味覚の違和感や口の渇き、その他口の中の違和感に内科的なアプローチを進めるという事をあまりしないのが現状です。皆さんの中にも、口内炎と言われたら口内炎用の軟こうを出されて終わり、といった事があった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
例えば口内炎を改善するとした場合、口腔内科的なアプローチとしては糖尿病など基礎疾患が無いか、口の中に悪影響のあるような薬や注射をしていないか、口の渇きや清掃不良など口の中の状態が悪化していないかなど、全身状態と口の中の状態を把握し、ビタミン剤や漢方、軟こうなど適切な投薬を行う事になります。
口腔内科と口腔外科は対極にある性質をもっていますが、全身疾患をよく理解できている口腔外科医は内科的な対応もできるため、通常の歯科医院では困難な疾患にも対応できる、というわけです。
口腔内科的なアプローチに関心がある方は、お近くの口腔外科を標榜している歯科医院に相談に行くのはいかがでしょう。
2020.07.31
いびき、歯ぎしりの治療について
おはようございます。
本日(7月31日)、梅雨が明けたような天気ですね。同時に非常に暑くなってきました。コロナ禍でマスクしていることもありますので、いつもより熱中症に注意してください!
さて、本日はいびき、歯ぎしりについて書いてみたいと思います。
いびき、歯ぎしりは誰もが非常に疲れたり、深酒が過ぎたりしたら睡眠が浅くなって朝、顎や歯が痛かったり、家族に指摘された事があるものかと思います。
ただ、そのような一時的なものは生活習慣の是正で良くなりますが、人により鼻の状態や、肥満、あごやあごの筋肉の発達によって日常的にしてしまう場合があり、そのような方は治療が必要になります。
治療法は主に理学療法、薬物療法、外科療法、そしてマウスピース療法となります。今回は歯科での治療を主に説明します。
理学療法は、電気を当てたり、マッサージをしたりしていくことになります。一時的な症状緩和はできますが、何度も治療に来ていただく必要が出てきます。
次に薬物療法です。筋弛緩剤や鎮痛剤、そしてボトックス注射などの方法で、筋肉のこわばりを取り、痛みを取る方法です。これも根本的な解決には至らず、何度も治療に来ていただく必要が出てきます。
外科療法は、食いしばりの主体になっている筋肉の付着をはがしたり、ついている骨を取り除いたりしていきます。根本的な除去につながる可能性はありますが、多くは全身麻酔が必要ですし、出血などの随伴症状を伴うことになり、危険があります。
最後にマウスピース療法です。上だけ、もしくは上と下をくっつけてかみ合わせを固定したり、強く食いしばらないように歯を保護していく方法です。これも根本的な解決方法には繋がりませんが、少なくとも食いしばる力をコントロールし、歯やあごを保護する方法になります。
鼻が悪い場合や、肥満の場合には睡眠時無呼吸症候群という病気が隠れているいびき、歯ぎしりの場合がありますので、専門の睡眠時無呼吸症候群外来を受診していただき、場合によって歯科でのマウスピースが適応といわれる場合も出てきます。
以上です。ご参考になさってください。
追記:日中の食いしばりが気になる方は100円均一ショップなどで鏡をお買い求めいただき、日中に仕事場や家に据え置き、仕事や家事をしている間に食いしばりが無いかどうかチェックし、噛みこんでいるようであれば顎をマッサージしてリラックスするようにしたら日中の食いしばりは改善することがほとんどです。歯科医院を受診する前に、そこから試してみるのもいいかもしれません。
2020.07.28
むし歯が気になるお子様、フッ素洗口剤はいかがでしょうか?
梅雨もそろそろ開けそうで開けないですね。コロナ禍も収まらず、じめじめした季節と気持ちが続きます。
さて、今日はフッ素洗口剤のお勧めをしたいと思います。
しばおかデンタルクリニックを兵庫県赤穂市で開院する前まで、岡山県の早島町で勤務していました。
早島町に来てびっくりしたのが、お子さんのむし歯が本当に少ないことです。当時は、最近のお子さんはむし歯が少ないなー、くらいにしか考えていなかったのですが、赤穂にきてもう一度びっくりしました。むし歯、相変わらず多いじゃない、と。
そこでふと思い出したのが、早島町の小学校では週に1度、フッ素うがいの日があることでした。加えて中学校ではフッ素うがいが無くなるのと、部活などでスポーツ飲料を多量に摂取するからか、中学生からう蝕のお子さんが増えてくる事でした。
体感ではありますが、やはりフッ素うがいは効果があると感じています。うがいが可能になったお子さんをお持ちのご家庭の方、むし歯予防に毎日使用する事も、週1度使用する事もできるフッ素洗口剤、ビーブランドの使用をお勧めします。
2020.07.10
7月10日は納豆の日です。
7月10日は語呂から納豆の日となっています。
納豆はタンパク質に富むコレステロールゼロの健康食品です。
またほかの栄養素としてビタミンB群(B6、B2)、ビタミンE、鉄分、カルシウム、カリウムマグネシウムを含み、免疫力向上や糖尿病予防、動脈硬化予防、血圧コントロールに役立つ、まさにスーパーフードです。
口腔外科という科は、歯科の外科を担当するだけではなく、口のなかの症状に対して適切な投薬を行う、口腔内科的な役割を担うことも多くあり、治りにくい口内炎に対し、ビタミンB2を処方することも多くありました。納豆を勉強すればするほど、今までの口内炎の患者さんに納豆を勧めればよかったな、と思うくらいすごい効能がありますね!!
特に関西の方は納豆が苦手、という方もいらっしゃいますが、ぜひこの機会に朝食のおともに召し上がってみてはいかがでしょうか。
追記 心臓病などでワーファリン(抗凝固剤)を内服されている方は、納豆を食すとワーファリンの効果を減弱しますので、食さないようご注意下さい。
2020.07.06
五苓散(ごれいさん)について
五苓散という漢方薬をご存じでしょうか?
五苓散は、漢方学的には体の水の滞った部分の流れをよくする働きがあるとされ、体のむくみの除去や、胃炎・下痢・頭痛と広い症状に使われる事がある薬です。
歯科的にも、三叉神経痛などの顔面神経痛に効果があるとされ、歯科でも処方される事があります。神経浮腫、つまり神経のむくみを取って神経を楽にするのが根拠になりますが、保険適応でない場合が多くあります。
葛根湯と同じでなぜこんなものをお勧めするかというと、僕自身がお酒を飲む前に五苓散を飲むと、二日酔いが少なくなるので個人的におススメしたいと思って書いてみました(笑)次回は保険適応となる漢方についてお話してみたいと思います。